毎月一定額の給料をもらっているサラリーマンが、なぜお金について学ぶ必要があるのか、お金についてどう考えればいいのかについて解説したいと思います。
お金の勉強をされていますか?
まず最初にお聞きしたいのですが、皆さんはお金の勉強をされていますか?
日本では金融は教育の必修科目ではないので、自分から積極的に勉強しに行かない限り、お金について詳しく知ることは難しいです。
しかし、お金について勉強したことがない人でも、サラリーマンであれば、紙媒体であれ電子媒体であれ、毎月給与明細を受け取っているのではないでしょうか。
きっと皆さん、「給与明細を見たことがある」と答えるのではないでしょうか。
では、質問を変えて、給与明細を見たことがあるかどうか、つまり、給与総額から何がいくら引かれているか理解しているかどうかを聞いてみるのはどうでしょうか?
こうなると、「うーん」という方も多いのではないでしょうか。
一方、私たちのお財布に直結する手取りは、まったくわからないわけではありません。
毎月の給料から差し引かれる主な項目
ググればわかることを細かく説明してもあまり付加価値がないので省きますが、毎月の給料から差し引かれる主な項目は以下の通りです。
1)所得税、2)住民税、3)健康保険、4)介護保険、5)厚生年金保険、6)雇用保険
です。
なお、4の介護保険は40歳以上の方のみとなります。
ざっくりと差し引かれる項目は、1と2の税金、3と4と5と6の社会保険です。
サラリーマンは、これらの税金や社会保険料が給料から天引きされており、有無を言わさず搾取されています。
なぜ、自分たちが何をいくら取られているのかがわからないかというと、これらの税金はこの控除制度によって自動的に賃金から差し引かれているからです。
この制度は源泉徴収と呼ばれ、超画期的なものです。
というのは、所得税は自分で申告して納めるのが普通ですが、サラリーマンは給料をもらう前に税金や社会保険料が天引きされているので、まったく払う必要がないのです。
つまり、このブレイクスルーは、政府にとってもブレイクスルーを意味するのです。
この源泉徴収制度には、もう一つメリットがあります。
先程と同じく、政府にとってのメリットですが、なぜ、どれだけの金額が差し引かれているのか、政府には知らされないということです。
税金は自動的に天引きされるため、国民はお金について学ぶ機会や金融リテラシーを高める機会すら奪われているといえます。
税金や社会保険料を差し引いた手取りは減少の一途をたどっています。
これは大まかな例で正確な数字ではありませんが、例えば年収700万円の人の場合、税金と社会保険料で約23%、160万円ほどを占めています。
これは2017年時点の数字ですが、2002年と比較すると50万円ほど増えています。
そして、皆さんご存知の通り、この間、消費税も増税されており、さらに強力な搾取構造が出来上がっています。
すべての国民が苦しんでいるわけではない
ここまでの説明だと、特にサラリーマンにとっては搾取構造から逃れられず、搾取額も増えている、非常に厳しい世界のように聞こえます。
しかし、統計を見ると、すべての国民が苦しんでいるわけではないことがわかります。
野村総合研究所のデータによると、日本の世帯を純金融資産額で割ると、5億円以上の世帯が約8万4000世帯、1億円以上5億円未満が約118万世帯、5000万円以上1億円未満が約322万世帯、3000万円以上5000万円未満が約720万世帯、3000万円未満が約42万世帯となります。
富裕層といわれる1億円以上の資産を持つ世帯が増加しているといわれています。
そして、この富裕層世帯の増加の背景には、不動産や店舗などのビジネスや投資で稼ぐ人が増えていることがあると言われています。
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一方、一番下の層である年収3,000万円以下の世帯には、普通のサラリーマン世帯が多く存在します。
つまり、給料しか収入源がなく、投資もしない人は、今後ますます生活が苦しくなる可能性が高いのです。
誤解を恐れずに強い言葉で言えば、給与収入だけで真面目に働き続けても、貧困層になる可能性が高いという構造・統計になっているのです。
つまり、サラリーマンは特に、お金のことをよく勉強し、お金を守りながら増やす行動をとることが求められているのです。
そこで、今回の勉強のテーマでもある「お金とは何か」について考えてみましょう。
お金とは信用
歴史をさかのぼると、お金が生まれる前、お金がなかった頃、私たち人間は物々交換をしていました。
米と魚、肉と果物など、物々交換をしていたのです。
しかし、物々交換には欠点もありました。
保存がきかないものがあったり、人によって価値が変わったりと、安定しないのでとても不便だったのです。
この不便さを解消するために、金貨や銀貨が作られ、その後、金貨や銀貨の携帯の不便さを考慮して、預金証書に代わる紙幣に発展していったのです。
現在では、お金は単に支払いの手段ですが、そのためには、お金を払う人が、お金として渡したものを受け取ることが必要です。
つまり、お金とは信用なのです。
お金は信用なので、形あるものである必要はなく、銀行口座の残高のようなデータであればよいのです。
しかし、データだからといって、重要でないわけではありません。
重要でないわけではありませんが、お金はあくまでも手段であると考えることが、お金に対する理解を深める第一歩になると思います。
お金があることで得られるメリット
お金についてもう少し掘り下げてみます。
皆さんは、お金が人を幸せにすると思いますか?
これは私の個人的な意見ですが、お金があることと幸せであることは直接的には関係ないと思っています。
しかし、お金があることで得られるメリットは数多くあると思っています。
代表的なメリットとしては、第一に、選択肢が増える、選択の自由が増える、第二に、不幸を未然に防ぐことができる、が挙げられます。
特に後者は、病気やケガで明日から食べられない、働けない、リストラで失業する、といった経済的な不幸や、それらに対する不安を予防できる可能性を高めるものです。
しかし、防げる不幸が減ることは、そのまま安心感の増加につながるわけではなく、むしろ、お金を持つことで増える不安の方が大きいです。
持っている通貨がインフレで価値が下がらないか、持っている株の株価が下がらないか、持っている不動産の価値が下がらないか、など、お金を持つことで増える不安があるのです。
つまり、お金を持てば持つほど得られる安心感は、お金の量に比例するものではないのです。
だからこそ、お金について学ぶことで、
(1)賢くお金を稼ぐ、(2)賢くお金を守る、(3)賢くお金を生み出す、
を実践していただければと思います。
会社員だから給料以外の収入は見込めないと諦めてしまうのは、あまりにももったいないです。
日本の会社員が陥りがちな搾取構造から抜け出しましょう。
今回のまとめ
最後に、今回の内容を振り返り、まとめておきます。
まず、お金について学ばなければ、政府に搾取され続けることになる。
次に、この搾取構造は今後さらに強くなり、給与所得だけで生活している人は貧しくなる可能性が高い。
最後に、お金について学び、理解することで、賢くお金を稼ぐ人、賢くお金を守る人、賢くお金を生み出す人になることができるのです。