今回は、投資未経験者、特に新人さんや若い方に向けて、投資の魅力や投資の始め方についてお話したいと思います。
以下、記事の内容を簡単にまとめます。
- 投資はギャンブルではありません。
- 短期的な値動きで利益を得ようとするのは投機。
- 手を出さないほうがいい。
- 投資とは中長期的に資産を形成すること。
- 本業で稼ぎ、投資で増やす。
- まずは社会人としての自分の価値を高める努力をし、余ったお金を投資に回す。
- 長期投資を成功させる秘訣は、インデックスファンドをほったらかしにせず、投資することです。
- ネット証券で口座を開設し、「つみたてNISA」を始める。
- 購入する商品は、世界株式インデックスファンドか米国株式インデックスファンドのどちらか。
そして、投資をおすすめするわかりやすい理由がこちら。
長い目で見れば、稼いだお金を銀行に預けておくよりも、投資した方が圧倒的に資産を増やすことが期待できます。
給料がなかなか上がらず、社会保険料の値上げも予想される日本では、本業と投資の両方を頑張るか、起業して成功するしか、将来的にお金を持つ方法はないと思っています。
企業はハードルが高いかもしれませんが、本業と投資の組み合わせは多くの人にとって再現性が高いので、この記事では投資の魅力を全力で解説していきたいと思います。
では、本編に入ります。
「投資」という言葉のイメージ
皆さんは「投資」という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
モニターやグラフがたくさんあるパソコンのイメージでしょうか?
それとも3年で資産を10倍に増やしたというイメージでしょうか?
「投資はギャンブルだ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ここでお話しする投資は、このイメージとは全く違います。
どういうことかというと、普段は本業に専念し、稼いだお金を定期的に投資し、投資はなるべくほったらかしにしておくというものです。
この、本業と投資を中長期的に組み合わせていくスタイルが、ここでお話しする投資です。
このように、定期的にお金を投資するスタイルを積み立て投資といいます。
さて、これからお話しする内容がなんとなくわかったところで、それぞれのトピックに移りましょう。
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投資はギャンブル?
「ギャンブル」という言葉は、半分本当で半分嘘です。
投資の仕方によってギャンブルになることもあれば、ギャンブルではない堅実な資産形成になることもあるからです。
例えば、短期的な利益を得るために価格の上下動に飛びつく投機家であれば、これを短期投資と呼ぶこともありますが、ほとんどの場合は投資ではなく投機と呼ばれます。
このように投資と投機を区別するのは、投機がギャンブルの一種になりがちだからです。
投機という言葉が一般にそれほど知られていないため、投資に対してギャンブルという言葉が使われるのだと思います。
一方、「投資」という言葉をこのように考えています。
“社会に価値を生み出す企業や国にお金を投資し、投資先の成長とともに自分たちの中長期的な資産を形成していくこと”
私たちのお金を使って投資先企業が成長すれば、株価が上がり、利益の一部が投資家に分配される、Win-Winの関係が生まれるのです。
社会に価値を生み出すというと難しく聞こえるかもしれませんが、例えばアップルがiPhoneを開発して人々の生活を便利にしたり、ディズニーランドが多くの人を楽しませたりすることも社会にとっての価値です。
自分の資産を作る上で、世界の優秀な人たちから力を借りることができます。
例えば、GAFAや外資系金融機関、日本では総合商社やソニーといった企業に就職するのは簡単ではありません。
そういう会社に投資するということは、ある意味、稼ぐことに長けた優秀な人材を獲得して、お金を増やしていくことになるわけです。
しかも、インターネットを使って簡単に投資ができる便利な世の中ですから、これを利用しない手はないでしょう。
ここまで、投資とその魅力についてお話ししてきました。
関連記事:初心者向け!株、FX、不動産投資のメリットデメリットと違いを紹介!
どのような商品に投資すればいい?
例としてアップルに投資してみましょう。
このように個別の企業に投資することを個別株投資といいます。
アップルへの投資に抵抗がある方は、GAFAMの5社はいかがでしょうか?
有力なハイテク企業だけに投資するのは怖いという方は、米国の全企業に投資してみてはいかがでしょうか。
銀行、製薬会社、エネルギー会社、インフラ会社など、さまざまな会社があります。
米国全体が心配なら、世界中の企業に投資しましょう。
いろいろな投資先に資金を投じることを分散投資といい、特定の企業や国の衰退によって大きな損失を被るリスクを軽減することができます。
しかし、アメリカには4,000社、世界には約8,000社もの企業が存在します。
それらを一つ一つ自分で取り寄せるのは面倒ですが、パッケージ化された商品もありますのでご安心ください。
それをインデックスファンドと呼び、そのファンドに投資することをインデックス投資と呼んでいます。
インデックスに投資すると、個々の企業に投資している感覚が薄れがちですが、中身をちゃんと見ると、アップルやマイクロソフトなどに投資していることがわかります。
インデックス投資が優れている理由
インデックス投資が優れている理由はいくつかありますが、私が思うに最も重要なのは、投資初心者の安心感です。
まず、あなたには本業があります。
本業で稼ぐことが第一ですが、本業と投資を長期的にうまく両立させるためには、投資における心の乱れを極力少なくすることが重要です。
ここでいう心の乱れとは、簡単に言えば、投資したお金を失うリスクのことです。
リスクについて
投資をすると、お金が増えたり減ったりすることがあります。
しかし、資産が減ると言われると怖い気もしますが、リスクは投資に限ったことではありません。
銀行預金だってリスクはあるのです。
皆さんも経験したことがあるのではないでしょうか?
「最近、iPhoneの値段が高くなっている」「ディズニーランドの入場料が高くなっている」「貯金は減っていないのに、モノやサービスを買うお金が足りない」など、お気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
つまり、表面的な減少も実質的な減少も、どんな資産でも起こりうることなので、自分がどれだけのリスクを許容できるかが問題なのです。
一般的に、リターンとリスクはバランスが取れています。
大きく儲けようと思えば、ハイリスク・ハイリターンを目指したくなるかもしれませんが、インデックス投資はその中間で、ただ貯金するよりもはるかに大きなリターンを期待できます。
インデックス投資で成功する秘訣
インデックス投資で成功する秘訣は、長期的に株を保有することです。
目先の株価が下がっても、長期的に世界経済の成長が見込まれるのであれば、時間の経過とともに株価の上昇も期待できます。
近い将来、株価がどうなるかは誰にも分からないので、下落を心配するよりも行動を起こした方が良いです。
時間は最大の資産ですから、早い段階から有効に活用しましょう。
なぜ長期保有で損をしている人がいるのか
さて、株を長期保有すれば株価が上がるという期待感があるのに、なぜ長期保有で損をしている人がいるのか、不思議に思うかもしれません。
それは、投機をしている人、ハイリスク・ハイリターンの個別株で失敗した人、あるいは長期保有を目的に投資を始めたばかりの人のいずれかです。
15~20年程度でようやく本領を発揮
実際、長期のインデックス投資は、15~20年程度でようやく本領を発揮します。
そのためには、「複利」という重要な概念を理解する必要があります。
20年というと長いようですが、若い人であれば20年後には40代、50代になっています。
それまでにしっかりとした資産ポートフォリオを構築しておくことができれば心強いですよね。
20年単位の投資に最適な仕組み
そんな20年単位の投資に最適な仕組みがあります。
それは「つみたてNISA」です。
投資初心者の方は、まずはこの「つみたてNISA」を始めることが目標になります。
関連記事:つみたてNISAとNISAについてわかりやすく解説!
投資の始め方
実際に投資をしてみたいという方のために、投資の始め方について簡単にまとめてみました。
- まずは、大手ネット証券で口座開設をしましょう。強いこだわりがなければ、SBI証券が無難でしょう。
- 口座開設の申し込みは、スマートフォンで行うと楽でしょう。
- ネット証券の申し込み画面を見ると、「特定口座」という画面があり、後で説明する源泉徴収ありを選択することができます。これは、取引で利益が出たときに、自分で確定申告をしなくて済むようになる便利なコースです。
- そして、つみたてNISAを申し込む。NISAという選択肢もありますが、若い人であればつみたてNISAでいいと思います。
- 申し込みから数日後、メールや郵送で口座開設完了のお知らせが届きます。
- 取引開始の準備が整ったら、自分専用の預金口座が作られるので、その口座にお金を入金します。また、クレジットカードを利用しての積立も可能です。
関連記事:ポイント高還元とステータスを兼ね備えたコスパ最強プラチナカード「UCプラチナカード」
これで、取引を開始する準備が整いました。
次に、購入する銘柄を決めます。
おすすめの投資信託は、世界株式のインデックスファンドである「eMAXIS Slim グローバル株式(オルチャン)」です。
アメリカしか勝てないと思っている人は、アメリカのインデックスファンドである「eMAXIS Slim 米国株式」や「SBI V S&P 500」がおすすめです。
また、投資信託の中には、資産運用のプロにお金を預けるアクティブファンドというカテゴリーがあります。
資産運用のプロというと聞こえはいいですが、長期的にインデックスファンドに勝てるアクティブファンドは少ないですし、手数料も高いです。
そのため、アクティブファンドではなく、インデックスファンドを購入することをおすすめします。
いくら買うか
次に、いくら買うかについてです。
つみたてNISAで購入できる上限は年間40万円なので、毎月33,333円ずつ積み立てるのが基本です。
ただし、無理のない金額から始めるのがベストです。
新社会人や若い人は、まず最低限のお金を貯める必要がありますし、社会人としての能力を高めるために、自己投資や人付き合いのためのお金も必要でしょう。
ですから最初は、今まで趣味に使っていたお金があれば、たとえ月に3,000円でも5,000円でも、その一部を投資に回してみてください。
まずはそのレベルから始めてみましょう。
月々33,333円以上投資できる方は、基本的につみたてNISAと同じ商品を特定口座で積立購入すればOKです。
資産がある程度大きくなるまでは、基本的に1銘柄でOKで、いろいろな銘柄に手を出す必要はありません。
長期保有を実現する最も簡単な方法
そして、いざ投資をするとき、長期保有を実現する最も簡単な方法は、証券会社の口座を見ないことです。
大切なのは、20年後、30年後に実際に株を売ったときにどれだけの利益が出るかであり、目先の価格変動はあまり意味を持ちません。
積立NISAの積立投資は、証券会社が自動的に行ってくれるので、普段は放っておいても大丈夫です。
最初は半年か1年に1回だけ口座を確認し、本業に励むことをおすすめします。
おさらい
長期インデックス投資の場合、一度口座を開設して自動積立を設定すれば、その後は基本的に放っておいても大丈夫です。
最後に
国の制度や証券会社のサービスは、時代とともに変化していくでしょう。
しかし、この記事の前半でお話した投資の本質は、いつの時代も変わりません。
投資を始めることで、自分のシェアが広がり、今までとは違う世界が見えてきて、それが自分の市場価値を高めることにつながると思っています。
ですから、目先の損得に惑わされず、投資の楽しさを最大限に発揮して、人生を豊かにしていきましょう。