今回は、「大きな金額を投資するにはどうしたらいいのか」という方に向けてお話させていただきます。
すでに手元に100万円、500万円、1,000万円がある場合、どのように投資すればいいのか悩んでいる方も多いと思います。
この記事では、まとまったお金を一括で投資する方法と、積立投資をする方法について解説します。
一括投資や積立投資の基本も含めて、わかりやすく解説していきます。
このパートでは、まとまったお金があるときの投資方法について説明しますが、その前に、この記事の結論をお伝えしておきます。
まとまったお金を一括で投資する場合、長期間にわたって右肩上がりを期待するのであれば可能ですが、暴落が起こると精神的に辛いです。
相場を見ながらスポット的に購入したい人は、一括投資と積立投資を使い分けるとよいでしょう。
この結論を踏まえて、大金を投資する場合の全体像を解説していきますので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
「手元に400万円ほど投資したいお金があるのですが、一度に投資するのは怖いので、積立投資した方がいいのかどうか悩んでいます。」
皆さんならどうされますか?
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一括投資と積立投資について
まず、一括投資と積立投資について簡単におさらいしておきます。
一括投資とは、その名の通り、まとまった資金を投資に回す方法です。
例えば、手持ちの100万円を使って大量の株をまとめて買うことを一括投資と呼ぶことができます。
つみたてNISAでは一括投資はできませんが、一般NISAなら可能です。
一方、積み立て投資とは、毎月など定期的にコツコツと買う方法です。
つみたてNISAではこれしか選択肢がないため、自然と積立投資を選択する人が多いようです。
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では、まとまったお金ができたときの選択肢を考えてみますが、大きく分けて3つの選択肢があると思います。
- 長期でコツコツ増やすことを前提にした一括投資
- 時期をずらしての積み立て投資
(リーマンショックから復興までの期間である5年程度までで検討するのが良いと思います。) - 一括投資+積み立て投資
(基本的にマーケットを見ながら、積立金でスポット的に購入したい人向け。)
これらを順番に見ていきましょう。
長期でコツコツ増やすことを前提にした一括投資
まず、一括投資ですが、長期でコツコツ増やすことを想定しています。
長い間、右肩上がりのチャートがあれば、価格が安い今のうちに買っておくのが得策です。
とはいえ、本当に右肩上がりがずっと続くのか疑問に思う人も多いはずです。
参考までに、米国株の代表的な株価指数であるS&P500を過去150年まで振り返ってみると、確かに長期的に見ると右肩上がりが続いていることが分かります。
ですから、早めに一括投資をすると、長期的には大きな利益が期待できるのです。
ただし、注意点としては、右肩上がりの相場ではなく、短期間で上昇と下落を繰り返しているので、相場によっては、積立投資をした方が利益が出るケースもあります。
まとめると、長期的な右肩上がりを期待するのであれば、まとまった金額の一括投資が有効であると言えます。
一括投資のメリット
- 単純な右肩上がりが期待できるのであれば、一括投資の方が理論的には得である。
これは今説明したとおりであるが、一括投資のメリットは他にもあります。 - 米国ETFのように購入手数料に上限がある場合、一括投資によって手数料を削減することができます。
米国ETFの購入手数料は銘柄により0.495%ですが、上限は22ドルに固定されています。
一括投資のデメリット
これは分かりやすいのですが、一括投資後に暴落が起こると、一時的に大きな損失が発生し、精神的なダメージが大きいです。
先ほどのS&P500のチャートでは、2020年のコロナショック後に大きく下落していますので、この直前に一括投資を始めていたら、怖い思いをしたことでしょう。
また、相場が下がっている今が買い時だと思っても、そこからさらに下がる可能性もあります。
いざ暴落に出くわすと、どこまで下がるか本当に分からないものです。
結局、その時の相場がどこにあるかなんて分からないし、後で分かることなんですよね。
時期をずらして分割投資する
積み立て投資のメリット
積み立て投資にもメリットはあります。
例えば、毎月100円ずつ定額で積み立てることをドルコスト平均法といいますが、わかりやすい例をあげます。
毎回100円ずつ積み立てていくと、ある商品の初値が50円であれば2口購入できます。
2回目に25円に値下がりしたら、ドルコスト平均法の定額積み立てを使えば、100円で4口買うことができます。
つまり、より多くの量をより安く買うことができるのです。
ただし、注意点として、「積み立て」というのは誤解を招く表現だと思います。
確かに積み立てる時期は分散されますが、既に購入したリスクの価格変動幅が変わるわけではありません。
積み立てを続けることで元本が増えれば価格変動幅も大きくなるので、購入額のリスク分散になるとは言えず、相場が右肩上がりになっていけば、どんどん高い値段で買い増していくことになるのです。
つまり、積み立て投資の一番のメリットは、結局はリスク値動きを少しずつ増やしていく買い方なので、一括で投資したときと比べて相場が暴落しても精神的に余裕が持てるということなのです。
この問いに絶対的な答えはなく、精神的な余裕を持ちやすくすることが貯蓄の最大の目的ですから、分散投資する期間を考えることが重要です。
例として、2008年のリーマンショックでは、復旧に約5年かかりましたので、積み立てを始めてすぐに暴落が来ても、長くても5年以内に貯蓄を使い切るのが良いと思われます。
5年間で400万円を運用する場合、1年で80万円、1ヶ月で6万6千円の運用が可能です。
積み立て投資のデメリット
では、まとまった資金を積立投資することのデメリットも見てみましょう。
これは、一括投資のメリットと逆に考えることができますが
- 投資したい資金が投資元本を増やすのに時間がかかる場合、資金が眠る期間が長い。
- 単純に右肩上がりの場合、積立投資より一括投資の方が得である。
このあたりにあるかと思います。
ただ、先ほどもお話したように、相場が暴落しても精神的な余裕を持ちやすいのが積み立て投資の大きなメリットですので、大きな金額を投資する際にどうしても相場が気になる場合は、積み立て投資を選択した方が良いと思います。
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一括投資+積み立て投資
最後に一括投資と積立投資の組み合わせについてお話しします。
例えば、余剰資金が400万円あったとして、それを200万円ずつに分けるとします。
片方の200万円は積立投資に使います。
つみたてNISAに使えば、年間40万円を5年間運用することができます。
残りの200万円は一括で投資します。
ただ、200万円を一気に投入するのはやはり神経を使うので、自分でルールを決めておくとよいでしょう。
例えば、暴落時にピークから10%下がったら1/4買い、さらに10%下がったら1/4追加買いといった具合です。
これなら40%の下落までは損をせずに追加投資ができます。
ただし、これはあくまで一例ですので、ご自身でアレンジしてみてください。
一括投資と積み立て投資の違いを知った上で、自分に合った投資方法を考えていきましょう。
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まとめ
- 多額の資金を一括で投資するのは、長期間にわたって右肩上がりを期待するなら可能だが、暴落したときに精神的につらい。
- 多額の積立投資は、暴落時でも精神的な余裕が生まれやすいが、投資元本が増えるまで時間がかかる。
- 貯蓄を基本にしながらスポット投資を買いたい場合は、一括投資と積立投資を使い分けるとよい。
このような仕組みになっています。
大きな金額を投資するときは、一括投資がいいのか、積立投資がいいのか、よく考えてみてください。