今回は、「月にいくら貯めるべきか」についてお話したいと思います。
皆さんは月にいくら貯金していますか?
とりあえず余った分を貯金しているという方もいれば、毎月貯金しているけれどその金額が足りているのかどうかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
指標として毎月の貯金額を設定することはとても大切なことです。
たとえば、ダイエットをするとき、「いつまでに何キロ痩せる、そのために毎週運動する」といった目標を立てると、ダイエットが継続しやすくなります。
貯金も同じです。
毎月の目標を設定することで、劇的に貯まりやすくなるはずです。
ということで、今回のトピックでは、月にいくら貯めればいいのかについてお話します。
関連記事:短期間で収益を狙える7つの方法についてと、メリットデメリットをご紹介します!
基本的な考え方
まずは、毎月の貯蓄額を決めるための基本的な考え方について説明します。
毎月の貯金額を決める際、「月5万円」など、金額で目標を設定する方が多いかと思います。
しかし、基本的には金額ではなく、割合で決めることをおすすめします。
給料の1割、2割を貯金すると考えればいいのです。
パーセンテージで決めたほうがいい理由は2つあります。
1つ目は、貯蓄を継続しやすいから。
2つ目は、収入が増えれば、同時に貯蓄額も増えるからです。
貯蓄を継続しやすい
まず、1つ目の理由は、貯蓄を継続しやすいからです。
例えば、毎月5万円貯めるという目標を立てたとします。
このとき、毎月の手取りが15万円だとしたら、普通はかなり厳しいと思います。
学生時代、多くの人が「1日3時間勉強しよう」と意気込んだものの、続かなかったように、目標を高く設定しすぎると、挫折の原因になります。
しかし、逆にパーセンテージで設定すれば、無理なく続けることができるのです。
たとえば、月収15万円の学生なら、収入の20%、つまり月3万円を貯蓄する目標を立てればいいです。
先ほどの月5万円と比べると、ハードルが下がっているのです。
このように、割合を踏まえて少し頑張れば達成できそうな目標を設定することが、貯金を続けるコツです。
収入が増えれば、同時に貯蓄額も増える
次に大切なのは、収入が増えれば、同時に貯蓄も増えるということです。
例えば、「毎月3万円貯金する」という目標を立てたとします。
前述したように、手取り15万円であれば、月3万円の目標で問題ないでしょう。
しかし、収入は残業や年齢によって増えることが多いですよね。
手取りが15万円から20万円、30万円となれば、その分貯蓄に回せるお金も増えます。
しかし、月3万円など金額で目標を設定すると、貯蓄のペースは一向に上がりません。
要するに、自分の収入のポテンシャルをまったく活かせていないのです。
一方、収入に占める貯蓄額の目標を設定すれば、収入と一緒に貯蓄額も増えていきます。
収入の2割を貯蓄目標にすると、収入が15万円のときは月3万円、20万円のときは月4万円、25万円のときは月5万円と増えていきます。
つまり、着実に資産形成ができるのです。
まとめると、「貯蓄の継続性」と「貯蓄のペース」の2つの観点から、貯蓄目標をパーセンテージで設定することをおすすめします。
これから、具体的な貯蓄目標について、基礎編、上級編、超上級編とお話ししていきますので、ぜひお読みください。
具体的な月々の貯蓄額
では、具体的な月々の貯蓄額についてです。
基本編はどんな人でも達成できる目標、上級編は本気でお金を貯めたい人、超上級編は鬼に金棒のような超ストイックな方法でお金を貯めたい人のための目標です。
記事内では「貯金」という言葉を使っていますが、この貯金には投資するお金も含まれています。
つまり、貯金=銀行貯金+投資するためのお金です。
この点、ご理解ください。
関連記事:【お金を増やす】これが一番ありえない方法!「貯金0円生活」!
基本編
まずは基本的なところから。
まず、収入の10%を貯蓄することが目標です。
手取り20万円なら月2万円、手取り30万円なら月3万円の貯蓄が必要です。
収入の10%という数字は、名著『バビロンの大富豪』から引用したものです。
「バビロンの大富豪」はお金持ちになるための普遍的な原則を説いた本で、その中で最も重要な原則が「収入の10%を貯金する」ということです。
収入の1割をまず貯蓄に回し、残りの9割で生活することで、資産は着実に増え、使うお金が1割減っても、不思議と生活水準は変わらないので、無理なく続けられるのだそうです。
このように収入の10%を貯蓄するという目標は、とてもジャストフィットなのです。
ですから、最初の一歩として、指標として、ぜひ実践していただきたいと思います。
もちろん、「10%なんて少ないよ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、世間一般から見れば、収入の10%を貯蓄に回すというのは、非常に高い意識を持っていることになります。
それを裏付ける実際のデータもあります。
2020年の家計の金融行動に関する世論調査によると、単身世帯の63.8%が金融資産、つまり貯蓄を持っており、36.2%が持っていないそうです。
そして、貯蓄がある63.8%のうち、48%が収入の10%以上を貯蓄しているのだそうです。
手取りの10%を貯蓄できれば、貯蓄がある人の上位半分に入ることになり、世の中的にもかなり高い水準です。
ですから、現時点で手取りの10%を貯金している人は、すでに立派な仕事をしていることになります。
継続的な貯蓄が一番大切です。
手取りの1割を貯めるというのは、一見すると少ないように見えるかもしれません。
しかし貯金も地道に積み重ねていけばいずれ大きな財産になるはずです。
これから貯金を始めたい人、家計が苦しい中でも貯金をしたい人は、まず収入の1割を目標に貯金をしましょう。
上級編
そして、上級編に入ります。
本気で貯めるなら、手取りの25%を貯めましょう。
手取りが20万円なら月5万円、30万円なら月7万5千円ということになります。
25%という数字は、本多四六先生の貯蓄法から取ったものです。
本多四六氏は東京大学の教授で、生涯で100億円以上の資産を築かれました。
日本のウォーレン・バフェットと呼ばれることもあります。
彼が実践したのは、「1/4天引き貯金法」、つまり収入の25%を貯金に回すという方法です。
もちろん、本田先生も臨時収入(ボーナス)はすべて貯金に回し、投資もしていました。
しかし、収入の25%を貯蓄に回し続けたことが、莫大な資産を築くことができた最大の理由なのです。
ですから、「貯金を頑張りたい」と思う人は、「収入の25%を貯金に回す」という目標を立ててみてください。
貯金を頑張りたいけど、収入の25%を貯め続けるのは厳しいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
貯蓄は継続が大事なので、もちろん無理は禁物です。
しかし、これからお話しする3つのステージにある方は、ぜひ25%の貯蓄を目指していただきたいと思います。
それは、独身の時期、結婚して二人きりになった時期、そしてお子さんが独立した後です。
この3つは一般的に、貯蓄に適した時期、貯蓄のチャンスと言われています。
理由は、比較的支出が少なかったり、2馬力で稼ぐことができるからです。
特に、若いうちに投資も含めてしっかり貯蓄に回すと、時間を味方につけることができ、将来大きな財産になります。
ですから、この貯蓄期にある方、特に若い方は、25%貯蓄していただきたいと思います。
ちなみに、手取りの25%を貯蓄に回している人は、金融資産を持っている63.8%の人のうち、上位20%の人たちだそうです。
ここまで来られた方は超優秀だと思いますし、現時点で25%貯蓄している方は、もう間違いなく素晴らしい方です。
あなたの周りで、収入の25%を貯金している人は、おそらくほとんどいないでしょう。
圧倒的に貯めて周りと差をつけたい、心に余裕のある人生を送りたいという方は、ぜひ収入の25%を目標に頑張ってください。
超上級編
次は超絶貯金をしたい人のための目標です。
生活費を月10万円とし、残りは全て貯金します。
これは割合ではなく、かなりストイックなものであることをご理解ください。
ちなみに、月10万円というのは、一人暮らしを前提にしたものです。
2人家族の場合だとだいたい14万円、3人家族の場合で17万円、4人家族の場合で20万円です。
この生活費月10万円を貯蓄目標の最終目標と位置づけたのは、単純に「もうダメだ」と思うほど貯められるからです。
これまでお話ししてきた収入の一定割合を貯蓄するという方法は、ある面では貯蓄と支出のバランスをとることができます。
たとえば、収入の25%を貯蓄に回すとします。
手取りが20万円なら、貯蓄は5万円、支出は15万円です。
手取りが30万円に増えれば、貯蓄は7万5千円、支出は22万5千円になります。
つまり、貯蓄と支出を同時に増やせるので、生活水準を適度に上げることができるのです。
まあ、使わなければ頑張って稼いだ意味がないと思うのは当然ですし、お金を使うことも大切です。
そういう意味では、貯蓄も消費もしたい人には実に最適です。
しかし一方で、生活費を月10万円に固定すると、増えた収入はすべて貯蓄に回されることになります。
つまり、手取りが月20万円の人は月10万円の貯蓄、手取りが月30万円の人は月20万円の貯蓄となるわけです。
もちろん、「月10万円なんて無理」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
それは至極普通の感覚ですのでご安心ください。
しかし、意外と可能なのです。
家賃や食費、通信費などを抑えれば、月に1万円のお小遣いを使っても10万円で普通に暮らせます。
もちろん、客観的に見れば、生活費として月10万円というのは、かなりストイックな目標であることは間違いありません。
特にお子さんがいらっしゃる方は、支出を減らすのは厳しいでしょう。
しかし、このレベルまで支出を減らすことができれば、圧倒的な貯蓄が可能になります。
それを投資に回せば、将来的に大きな財産になります。
そして、貯めたお金は、あなたの新たな可能性になります。
というわけで、本気で超絶節約を目指すなら、生活費を月10万円に設定し、動かないことを目標にしよう。
まとめ
ここまで、月々いくら貯蓄すればいいのかについて解説してきました。
以下の3つの選択肢を参考に、ぜひ毎月の貯蓄目標を設定してみてください。
基本編で手取りの10%、上級編で手取りの25%、超上級編で生活費10万円、残りを貯金してください。
注意することはただひとつ。
決して無理な目標を立ててはいけません。
貯蓄で一番大切なのは継続性です。
記事の前半でも言いましたが、目標が高すぎると、挫折の原因になります。
また、節約して節約してと繰り返していると、お金よりも大切な人間関係を犠牲にしてしまうこともあります。
友達に嫌われて一人になってしまうかもしれません。
そこで大切なのが、少し頑張れば達成できる目標を設定し、ステップを飛ばさないことです。
無理のない範囲での目標であれば、ずっと続けやすくなります。
また、最初から20%、25%貯めようとしないことです。
お金を貯めるには、本当に習慣が大切です。
習慣がなければ、大きな金額を貯めることはほぼ不可能です。
ですから、まずは収入の10%を目標に、基本的な貯蓄習慣を身につけましょう。
そして、慣れてきたら20%、25%…と貯蓄する割合を増やしていきましょう。
「急がば回れ」ということわざがあるように、遠回りに見えるルートが実は最短距離だったりするので、地道にコツコツとやっていきましょう。