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円高対策。事前に準備しておけば、何が起きても安心です。

円高対策。事前に準備しておけば、何が起きても安心です。

今回は円高対策についてお話します。

今のうちにある程度の知識を持っておくと良いかと思います。

基本的に長期投資家はそれほど為替を気にする必要はないと思いますが、短期売買で円高対策をしたい方もいらっしゃるでしょう。

 

では、本編に入ります。

 

ドルを円に換える

1つ目の方法は、ドルを売って、円として保有する方法です。

これは一番シンプルな方法です。

例えば、外貨建てMMFでドルを保有していて、円高になると、MMFの円換算額が減少します。

これを為替差損といいます。

これを避けるためには、あらかじめドルを売却しておくとよいでしょう。

ただし、誤解を恐れずに言えば、S&P500やNASDAQ100など、ドル資産の長期運用を目的としたインデックスファンドについては、急いで売る必要はありません。

海外のインデックスファンドへの投資は、基本的に長期的な円安に対応するためのものですので、短期的な為替相場の動向で売却するのは時期尚早と言えます。

したがって、インデックスファンドを売却する必要はありませんが、手持ちのドルに使い道がなく、円高対策をしたい場合は、円に戻すという選択肢もあることをご理解ください。

 

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円高の恩恵を受ける個別銘柄に投資する

2点目は、円高を利用した個別銘柄への投資です。

日本の大企業は基本的に輸出企業が多いので、円高はデメリットとして報道されますが、輸入企業にとっては円高はメリットとなります。

円高の恩恵を受ける銘柄は、2011年前後の超円高期や2016年の円高局面で脚光を浴びました。

ここ数年は円安傾向であまり話題になっていませんが、次の円高局面ではどのような銘柄があるのか整理しておくとよいでしょう。

まず、業種別に見てみよう。

東京商工リサーチが2022年4月に実施した「円安に関するアンケート調査」で、円安の影響があると回答した企業として、アパレル、食品、家具、木材など小売業が挙げられています。

これらの企業は、原材料を輸入に頼っている企業や、中国などで完成品を製造し、輸入している企業です。

また、ここでは触れていませんが、円高の恩恵を受ける産業として、原油会社や電力・ガス会社などのエネルギー関連企業がよく挙げられます。

また、円高の副次的効果として、海外旅行が増える傾向にあることから、旅行会社や航空会社なども恩恵を受けると言われています。

個別の銘柄について一つ一つお話しすると長くなってしまうので、業種別の情報は四季報でご確認ください。

その前に一点だけ注意点があります。

個別銘柄のパフォーマンスは、円安か円高かで変動しますが、業種特有の市況にも大きく影響されます。

例えば、旅行会社や航空会社が円高の恩恵を受けていても、コロナ災害で旅行需要そのものが減少していれば、円高になる前に業績が悪化する懸念があります。

このように、そもそもビジネスがうまくいっているかどうか、為替は二の次と考えた方がよいでしょう。

小売業は、比較的為替変動の影響を受けやすい業種です。

良品計画、セリア、ABCマート、ニトリホールディングスは、円高になるとよく話題になります。

2022年の年初から5月までの株価推移では、ABCマートはちょっと例外ですが、良品計画、セリア、ニトリは円安に転じた2月末から明確な下落トレンドに入っています。

良品計画は国内外での販売不振でやや業績が悪化していますし、ニトリは本業が頭打ちになっていますので、必ずしも円安の影響というわけではありませんが、円安の影響もありますね。

では逆に、円高局面で株価はどのように反応したのでしょうか。

例えば、2016年の相場を見てみましょう。

この1年間は、1ドル120円から100円まで、2割弱の下落で、アベノミクス開始以来、最大の円高局面となった時期です。

この時のセリアとニトリの株価はドル高円安に転じた2月からの株価の上昇がよくわかります。

この時期はセリアもニトリも比較的業績が良かったので、円高でさらに業績が良くなるという思惑もあったと思われます。

実は、このような為替と逆送還になるのは珍しいです。

例えば、食品会社と石油元売り企業を例にとってみましょう。

両社とも円高で株価が上がっているというよりは、ドル円チャートと同じような動きをしています。

特に石油元売り企業は、原油価格の影響を受けます。

個別銘柄は本業でしっかり儲かっているかどうかが一番重要で、為替は一般的にはそれほど影響しませんが、小売業は比較的影響が大きいと考えてよいでしょう。

 

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為替ヘッジのある商品を利用する

さて、3つ目の投資商品である為替ヘッジについて見てみましょう。

投資信託やETFには、為替ヘッジありという商品があります。

例えば、東証1655と2563はどちらもS&P500に連動する商品で、ブラックロックが運用しています。

東証1655には為替ヘッジがなく、2563には為替ヘッジがあります。

為替ヘッジなしの商品は為替変動の影響を直接受けますが、為替ヘッジありの商品は為替変動の影響をなるべく受けないように設計されています。

一般的には、為替ヘッジありの方が経費率は若干高くなります。

まあ、短期売買の場合は、まったく気にする必要はないでしょう。

2022年の1年間の動きを見て、ヘッジありとなしとでどれくらいの差があるのか確認してみましょう。

一例ですがS&P500そのものである2563の値動きで、約-20%ですが、ヘッジなしの1655は円安のおかげで-10%にとどまっています。

この時、為替ヘッジで一番使いやすいのは債券だと思います。

例えば、アメリカの債券価格がかなり下がっているので、「この辺が底かもしれない」とか、「QTが始まったら債券を買ってしばらく様子を見よう」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。

ただ、今後円高になると債券の価値が下がってしまうので、買うかどうか考えている人には、為替ヘッジのある商品が向いていると思います。

ETFでは、「1487上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジあり)」「1482iシェアーズ・コア米国債券7-10年ETF(為替ヘッジあり)」などがあります。

東工取では米国のファンドは1本も扱っていないが、「たわらノーロード先進国債券ファンド」には、為替ヘッジなしと為替ヘッジありの両方が用意されています。

為替ヘッジありの方は、ベンチマークと基準価額の乖離がやや大きいというデメリットがあります。

動きはかなり違うのでご注意ください。

購入者が多いeMAXISSlim米国株式やオーキャンは、為替ヘッジなししかありません。

そういう意味では、為替ヘッジありの商品はあまり馴染みがありませんが、先ほどのような限られた場面で力を発揮する商品だと思います。

 

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最後に、番外編を2つ紹介したいと思います。

番外編1、通貨建て投資信託

1つ目は、通貨建て投資信託です。

例えば、野村證券では「円高ドル安トレンド8」という商品を扱っていますが、これはドル円の2倍程度反対となる商品です。

この商品は、通貨そのものの変動に投資するため、為替対策という意味では最も直接的です。

しかし、現時点でやっていることはFXとさほど変わりません。

投資信託なので税金対策がしやすいというメリットはありますが、これまで説明した3つの投資商品とは異なります。

あくまでも「他にも投資方法がある」という知識として持っておくと良いでしょう。

 

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番外編2、短期投資として信用売りをする

二つ目の番外編は、信用売りです。

信用売りとは、簡単に言えば、商品の価格が下がれば下がるほど得をする取引です。

例えば、先ほどの1655と2563を例にとってみましょう。

S&P500の価格と為替レートという2つの要因があります。

S&P500が上昇し、さらに円安になると思えば、1655を買えばいいです。

逆に、S&P500は上がるが円高になると思えば、2563を買えばいいです。

逆に、S&P500が下がり続けて円安になると思えば、2563を信用売り、S&P500が下がって円高になると思えば、1655を信用売りすればいいのです。

なお、基本的に信用売りは短期売買がメインで、投資を始めたばかりだと信用取引口座を開設するのは難しいので、中級者以上の取引になります。

 

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まとめ

さて、ここまでの話をまとめてみましょう。

円高に対する第一の対策として手元にドルがあり、使い道がないのであれば、円に換えるという選択肢を検討する価値はあります。

しかし、すでに長期投資として海外資産を持っているのであれば、円高が怖いからと売却するのは時期尚早でしょう。

円高対策の2つ目は、円高の恩恵を受ける銘柄を買うことです。

輸入企業、特に小売業は円高で株価が上昇した歴史があると書きました。

個別銘柄は本業で利益を上げているかどうかが一番重要なので、円高になったら、まず輸入企業の業績を第一に考え、その後に為替レートを考えるとよいでしょう。

円高対策の3つ目は、為替ヘッジのある商品を買うことです。

S&P500でも債券でも、為替ヘッジ付きの商品を買えば、為替の影響を無視して指数そのものの動きに追随することができます。

円高による評価額の減少を回避するための有力な戦略かもしれません。

ただし、一般的に為替ヘッジありの商品の手数料は、為替ヘッジなしの商品より若干高くなりますので、ご注意ください。

 

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