ついに1ドル=150円を突破したようですね。
最近話題になっているニュースなので、気になる方も多いと思います。
この記事では、32年ぶりの歴史的な円安とそれに伴う物価上昇、そしてその対策について解説していきたいと思います。
では、さっそく始めましょう。
通貨分散を目的に米国株の積み立てを続けておきましょう
このパートでは、いよいよ1ドル150円台まで円安が進んだ今、私たちは何をすべきなのかをお話しします。
この記事の結論を先にお伝えします。
ついに対米ドルで32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進みました。
この背景には、日米の金利差拡大による円売り・ドル買いの要因があります。
米国の利上げが今年末まで続く予定であることから、さらなる円安が予想され、値上げラッシュが続く懸念があります。
円安の主因である日米金利差はすぐには解消されない可能性があるため、通貨分散を目的に米国株の積み立てを続けておきましょう。
この結論を踏まえて、1ドル150円までの歴史的な円安とその対策を余すところなく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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急激な円安の背景と今後の見通し
早速ですが、日本円と米ドルの為替レートは、ついに32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進みました。
2022年初頭の1ドル=114円台から、すでに3割以上も円安が進行しているのです。
これだけ円安が進めば、輸入コストの上昇は避けられず、海外旅行にも行きづらくなります。
急激な円安の背景には、今年に入ってから米国が急激な利上げに踏み切り、日米の金利差拡大で円売り・ドル買いが加速していることがあります。
米国では大きな問題となっているインフレを抑制するために、金利引き上げによる金融引き締めを加速させ、加熱した経済を冷やし、インフレを沈静化させようとしていますが、これによりゼロ金利が続いている日本との金利差が拡大しているのです。
そのため、円が売られ、ドルが買われ、円安に歯止めがかからなくなっています。
さらに厄介なのは、米国では今後も急激な売りが続くと予想されていることです。
米国の利上げに伴うFFレート(政策金利)では2022年は3回連続で0.75%が売られており、11月、12月も0.75%が予想されるため、5回連続で0.75%が売られる可能性もあります。
通常の利上げは0.25%までなので、いかに急速に利上げが行われているかがわかります。
アメリカの政策金利は今年中に5%程度になると言われていますので、歴史的に見ても急激な利上げであることが分かります。
過去のドル円チャートを長期スパンで確認してみましょう。
今から約10年前の2011年は、1ドル=75円台という史上最大の円高になった年と言われています。
当時は、2008年のリーマンショック以降、為替市場では比較的安全な資産とされており、2011年の欧州債務危機を契機に円買いが加速しました。
しかし、その後10年足らずで円の価値が半分近くまで下落したのですから、これは大変な驚きと言えるのではないでしょうか。
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円安は私たちの生活にどのような影響を与えるのか
では、円安は私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。
消費者物価指数が昨年比3%上昇し、約31年ぶりの高水準となり、生鮮食品以外の物価が3%膨らんでいるというニュースがありました。
最近、スーパーマーケットやレストランでは、輸入コストの上昇により値上げラッシュが続いています。
円安による原材料の輸入コストの上昇が、消費者に提供する価格の上昇につながれば、なかなか給料が上がらない私たちの家計の負担は増えることになります。
ちなみに、円安がいつまで続くのか、気になる人も多いでしょう。
9月20日に日本銀行がドル売り・円買い介入を行い、1ドル=145円台から140円台まで円高が進みました。
しかし、その後、円安傾向に戻り、現在は150円台で推移しています。
この為替介入は再び行われる可能性もありますが、日米の金利差が縮まらない限りトレンドは変わらないと思います。
ただし、米国はインフレ沈静化を確認できない限り利下げは難しく、日銀は金融緩和を継続しつつ利上げに否定的なので、現状に大きな変化がない限り、一般的なトレンドとして円安が続く可能性があります。
そうであれば、円安を防ぐための対策についてお話したいと思います。
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円安を防ぐための対策
これは必ず知っておいていただきたいことです。
米国株に投資する場合、米ドルが必要です。
米国株は日本円ではなく米ドル建ての資産ですから、投資するときは円ではなくドル建てで行うことになります。
ですから、人気の投資信託「eMAXIS Slim 米国株式」でも、実は米ドルで投資していることを知っておくとよいでしょう。
では、米ドル建ての資産を持っているとどうなるかというと、米国株は為替変動で利益を得ることができます。
例えば、ある米国株の株価が30ドルだった場合、円建ての評価額は1ドル100円として30ドル×100円で3,000円です。
仮に、その米国株の価格が1ドル25ドルに下落した場合、1ドル125円まで円安になると円建て評価額は3,125円、つまり25ドル×125円となり、為替差益でプラスとなります。
したがって、日本円も投資の一部と考え、通貨分散も含めて外貨建て資産を保有する考え方を知っておくことが重要です。
そのため、迷うことなく積立を続けていきましょう。
例えば、SBI証券で三井住友カードゴールド1%還元で毎月5万円まで積み立て、銘柄はeMAXIS Slim米国株のみを選択しています。
半年ちょっと前に始めて、円安の影響もあり、現在+4.5%、含み益17,817円です。
今の厳しい相場では株も為替も買い時を見極めるのは難しいので、あまり相場に一喜一憂せずに積み立てを続けた方が良いと思います。
ただ、現在の円高に戻った場合の為替差損を心配する人もいるかもしれませんが、積み立ては円高になっても割安に買うことに繋がります。
例えば、先ほどと同じ例ですが、米国株の株価が30ドルだった場合、1ドル100円なら1株買うのに3,000円かかることになります。
これでもいいのですが、1ドル70円の円高になると、1株あたりの価格が2,100円(30ドル×70円)になるので、積み立て投資で安く買うことができます。
日本の人口減少、少子高齢化により、長期的には円安になると言われていますので、円高になった時に安く株を買えるのはラッキーと考えるべきでしょう。
とにかく、今やるべきことは、不安定な相場に左右されることなく、平常心でコツコツとお金を積み上げていくことです。
まとめ
日本円と米ドルの為替相場は、ついに32年ぶりに1ドル=150円台まで円安が進みました。この背景には、日米の金利差拡大による円売り・ドル買いの要因があります。
米国の利上げは年内まで続く予定なので、さらに円安が進み、値上げラッシュが続く恐れがあります。
円安の主因である日米の金利差はすぐには解消されないかもしれませんので、通貨を分散し、米国株の積み増しを続けてください。